日々是暇

忘れて笑って忘れて笑って

先週、僕よりも激しく潰れてた先輩が、ニコニコしながら出勤してきた。どうやら途中から何も覚えていないらしい。室内で豪快に転倒したことも、タクシーに乗せられて家に帰ったことも―――

罪悪感で潰れていないことにちょっと安心しましたが、必死に介抱した人は報われないな……でもやっぱり、楽しそうで何より。

これはただのアルコールの失敗談として、忘れるというのは立派な防衛本能であって、忘れられる人は強いなと思う。僕は忘れづらい性格です。根に持つとか、そういうわけじゃないけど。

さらに悲しいことに、笑った方の話は片っ端から記憶から消えていく。そのときは腹を抱えて笑っていたのに。翌日、下手すればその日の帰りには忘れていたりする。辛かったことはなかなか忘れられないのに。

そんな自分の記憶がアテにならず、第一声に「前にも話したかもしれないけど」と、予防の枕を置くようになったのも悲しいことだ。

大岳山の山行中、何度も話したであろうことを、何度も話したであろうアキバくんに話し、そしてまた二人でゲラゲラと腹を抱えて笑う。おそらく何割かは既出の話であろうに。そして案の定、何を話したかもう忘れかけている。

うん……面白いことを忘れるのは、悪くない気がする。

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