北海道の勢いそのままに登山にでも繰り出そうと思っていた今週末はあいにくの空模様。東京や関東沿岸部は晴れているものの、内陸部は軒並み曇り〜雨予報だったので、久しぶりに東京都内を楽しもうかと繰り出した。観たい展覧会や映画もたまっているし。
そのうちの「UKIYO-E」は人気の上に時間指定もあって当日分は売り切れ。「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」も似たような感じ。じゃあどうしようかと考えていたら、アーティゾン美術館を思い出した。オープン記念展に行ったときに居心地良かったのを覚えている。今は鴻池朋子さんという現代アーティストの個展を開催中らしい。現代アートは苦手だけど、浮世絵や印象派絵画に触れたときの自分の化学反応は既知のものだし、ここらで新しい風を吹かせても良いんじゃないかと繰り出した。
新橋でラーメンを食べてから中央通りを歩いて東京駅へ。コロナと猛暑もあって歩行者天国の人通りは少ない。
それでたどり着いたアーティゾン美術館。入り口で検温をするのですが、まずはタブレットのようなものに自分の顔を写す検査でいきなりアラート音。「40.5℃!?」まぁ、これは機械のエラーだったらしく、係員さんのハンディータイプのものでクリア。あ〜驚いた。
今回は鴻池朋子さんにフィーチャーしましたが、実際の展覧会は3フロアにそれぞれ1つずつテーマの違う展示があり、「鴻池朋子」→「Cosmo-Eggs | 宇宙の卵」→「アーティゾン美術館コレクション」で形成されている。いかに最初の2つの現代アートで感性から外れてしまったとしても、常設展でカバーできる構成だ。違う?
で、鴻池朋子さん。前知識ゼロで行きましたが、毛皮をモチーフにしたインスタレーションや、円形の襖絵、そこへ飛び込んでいく滑り台、もふもふした自然の妖精(?)、巨大な蛾———等々、自然に一体化するような作風のインスタレーションは結構な迫力と情緒があってそれなりに楽しめた。現代アートはこちらが積極的にならないといけないものが多いと思っていたのですが、ここまでは受け身でも十分に迫ってくるものがあった。「ここまでは」
一番奥の部屋に映像作品の部屋があり、いくつかの短編が繰り返されていた。熊の毛皮を着た鴻池さんが石狩川をカヌーで遡上する、どこかの浜辺で鴻池さんが海に浸かりながら声を出す———だんだんシュールになってきたな……
その次が「森吉山で首から下が雪に埋まった状態の鴻池さんが声を出す」というかなりパンチの効いた映像。おっ、と思ったが、ギリギリ拡大解釈すれば「雪→大地が発する感情を声に出している……のかな?」とか、とれなくもない。無理が出てきたのは承知です。
さらにその次、「その状態でドラえもんの歌を歌う」。これは……
あと少しで笑いそうだったが、いや待てよと。「あんなこといいな、できたらいいな」「空を自由に飛びたいな」この状況下において、なんと切実な歌詞じゃないかと。「雪に埋まって何もできない」からこそ、真逆の「空を自由に飛ぶ」欲求は察して余りあると言うものだろう。と、解釈したところで、僕は、笑った。
インスタレーション自体はとっても感動的だったので、興味があったらどうぞ。