何年振りの1週間前日出社。出退勤は良い運動になっているし、PCを会社に置きっぱなしにすることで程よいデジタル・デトックスになっている。
ただ困るのが昼ご飯。毎日これを選ぶのが面倒ではある。今のところストックしていた行ってみたいお店を消化できているけど、今後はどうなるか…
そんなGoogleマップ上でのランチ探しの中で、会社の近くに「トーテムポールフォトギャラリー」という展示スペースがあることを発見した。ランチのひと時に、のぞいてみることにした。
そして今回やっていたのが、フォトグラファー淵上裕太さんによる個展「肌と距離」。

「新しい場所に行きたかった」だけじゃなく、この個展のページの一枚目の写真に惹かれたことが大きい。おじいさんに触れる、おそらく撮影者の右手のひら。

淵上さんからのテーマはホームページに任せるにして。僕はこの「触覚」にフィーチャーした写真群が、なんかすごく良いなと。

何度か「これからは触覚が大事になる」みたいなことを書いていて、今でもその思いは強くなっている。答えを求めるコミュニケーションはAIにとられ、SNSは白黒つけようとするコミュニケーション未満の喧嘩ばかり。生身の人間に求められるものは何だろうとずっと考えている。
そこで出会ったのが東畑開人さんの言葉だった。今一度引用する。
私たちは物質を愛することはできても、情報を愛することはできない。
だからページをめくれる本の方が、振動が伝わるライブの方が、より愛せるのだと。


そして目の前に並べられた写真は「触れられるあなた」だ。もちろん画面の前の僕は実際のその人には触れないけど、カメラ越しの手から感触が伝わってくる。つるつる、かさかさ、しわしわ…

実際には触ったことのない肌ばかりだ。でも、何故か肌触りは伝わってくる。
なんで分かるんだろう?
そもそも人間、生きているうちに何人に触るのだろう?
心の充足と、不思議と疑問を持ち帰って、僕は仕事に戻って行った。