日々是暇

PERFECT DAYS

お正月休み、実家の大型テレビで久しぶりに映画三昧(といっても3作品くらい)だった。

そのうちの一つが「PERFECT DAYS」。役所広司主演のヒューマンドラマ。

平山さんというトイレ掃除を生業とする中年男性の毎日。毎朝決まった時間に起き、決まった手順で仕事の準備をし、決まったコーヒーを飲み、決まった仕事を丁寧にこなし、決まった場所で昼ご飯を食べながら写真を撮り、決まった銭湯で汗を流して、決まった飲み屋で決まったメニューを楽しむ。基本、これを繰り返す(休日には休日のルーティンがある)。
あらすじというほどのものなく、故にネタバレもない。

日常を揺さぶるささやかな事件が起こり、平山の過去が垣間見えるシーンもあるけど、実際に何があったのかは描かれない。視聴者はあくまで、彼の切り取られた一週間をのぞいただけだ。

資本主義の日本において、彼は「成功者」ではないかもしれない。けど、何故だろう。僕には彼の生き方がとても美しく見えた。

朝、家を出て空を見上げるとき、不思議な動きのホームレスを見たとき、木漏れ日を浴びるとき……出てくる表情のほとんどが笑顔である。彼は繰り返す毎日に概ね満足している。

結局突き詰めると、人が本当に目指すべき、根源的な生き方はこうなんじゃないかと思う。

「丁寧に(美しく)生きる」

2025年の軸の一つになる映画だった。

 

最後は仕事に向かう平山の笑顔とも泣き顔ともとれる表情で終わる。多分、どっちでもあるんだろう。みんな、笑顔と泣き顔の間で生きている。

 

自分の中の「人生の美しさ」が徐々に変わってきていることにも気づく。以前は「成功」「唯一無二」といった客観性を伴うものだった。最近は少しずつ純粋に(主観的に)「自分が美しいと思える生き方」になってきた。

さらに純粋化するとこう言えるかもしれない。

その人がその人として生きていることが、十分に美しいんだと。

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