前日(金曜日)の午前中まで登る気がなかった富士山に、急に登る気になったのは、大樹さんに会うという約束(?)と、なんとなーく見てみた東洋館の予約サイトで空き部屋が1つあったこと。動機が2つ揃って、僕は急遽、富士登山することになった。(高速バスの空きが1席あったのもさらに背中を押した)

久しぶりにスバルラインの5合目から登る。国際色豊かな、賑やかな富士山が戻ってきている。
登山行程について語ることはないかな。6号目までにこんな樹林帯があったことを思い出したくらい。そこからは、ひたすら「富士登山」だ。息はきちんと出来ているか、その呼吸を乱さない歩幅で歩けているか……一歩一歩、自分の身体と対話しながら登ることは、なかなかに「豊か」な時間だったと思う。

__というところまでを、友人への手紙に書いていた。鉛筆で手紙を書くのはいつぶりか。自分の書く文字に久しぶりに再会した気がする。懐かしくて、楽しい作業だった。
「共有」とは手紙のようなところから生まれた言葉なんじゃないかと思う。自分の記憶を、僕以外の誰かが実物で持っていること。共に持っていること。
明日天気が良ければ山頂を目指す。この最初の手紙を、日本一高い郵便局から出せれば、とても嬉しい。

P.S.夕飯時にイギリス人のおじいさんと向かい合った。とても陽気な方で、たくさん話しかけてくれた。
「私の名前は○○といってね。18世紀後半にポンペイの発掘に携わった火山学者の前妻……ネルソン提督の愛人と言った方が有名かな。とても美人な女性でね……まぁ、その方と私とは全然つながりないんだけど」
なんだったんだ。