日々是暇

死者の贈り物

長田弘さんの詩集。なんで書店でこれを手に取ったのか、はっきりしたことは覚えてない。タイトルでジャケ買いしたんだと思う。

死ぬことと生きること、その間を隔てない、日々の風景を優しく描く。死ぬ悲しさも、生きる喜びも(そこまで)なく、ただ淡々と、美しく。

詩を読んだのは何年ぶりになるか。小中学校で金子みすゞが教科書に書いてあったり、詩を書いてみる授業をしたりはしたけど、それ以降詩に触れたことはなかった。あったとしても観光地で石碑で読む程度だったかと。

僕は長田弘さんという方を全く存じ上げないが、この作品からは世の中に対するあたたかいまなざしが伝わってくるよう。

ページから、ことばの風が吹いてきて、身体に染みわたっていくような、心地よいひととき。テーマは死ではあるけど、それを否定せず、すぐ隣にあるよう身近な友人のような、当たり前のものとして受け入れる作者の視線を、読者もふんわりと受け入れる。

……なんだか僕も感化されて詩的になってしまう。詩こそが心の処方箋である可能性をみた一冊だった。また読もう。

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