大人になった「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」と言うべきか。
2つの世界の話、かつ現実でない(?)方が壁に囲まれた街で、主人公(わたし)がそこの図書館で働くところまでも共通。わたしは影を現実世界へ逃し、自分は街に留まることを決断する。
今作では、街を脱出した後の話が描かれる。現実に戻った主人公が、とある町の図書館の館長として働く。そこで現実と夢(?)の狭間のような不思議な出来事が起き……という、まぁ、村上春樹だな〜というようなお話。
街の解釈は読み手に委ねられるわけですが、僕は以下のように受け取った。
街は深層心理、本音の本音の不部分。壁は傷ついた心を守るために自分が無意識に作り上げた防御本能。過去にひどい喪失を受けた主人公の心はそこで守られることを選び、本心を隠した影のような存在で現実を生きることにする。
しかし、図書館長としての生活の中で、様々な人と出会い、つながりを得て、(多分)心は回復し始め、街の中にいる自分も外に出る決心をする……
……みたいな??結局はよく分かりませんが、とてもポジティブな決着をみたと感じるので、読後感はすごく良かった。
と同時に、僕の心も少し快方(解放)へ向かっている実感を得ながらのこの作品は心地よかった。この本の登場人物たちと僕が良くなりますように。