本棚にずっと積んであった本。直前が「同志少女よ敵を撃て」だったから、連続で戦争ものというのも……とも思ったけど、勢いのまま手を取ってみた。
第二次大戦下、ドイツ占領下に隠れるユダヤ人、そしてその結末を知っているからに、ものすごく重い気持ちでページをめくり始めたが、そこは13~15歳の女の子の生きた日記。悲壮感は少なく、隠れ家での日々のことを軽快に描いている。
驚くのはその他人の観察力、自分の客観視。現在日本であるところの女子中学生にここまでの洞察ができるのかと舌を巻……いたのだけど、そもそも、男子中学生とは心の成長が全然違うから、自分の定規では測れないか。
2家族と1おじさんで狭いところで共同生活をするのだから、喧嘩なんて日常茶飯事。その中でもちょっとしたことで笑ったり、喜んだり。どんな状況でも人である限りこの感情は消えないんだなと、「夜と霧」を読んだときも思った気がする。
ラジオから第二次大戦の戦況は漏れ聞こえるし、ピンチは何度か訪れるが、600ページの大半がアンネの心の中の描写なので、ちょっと退屈になるときもある。それでも生きていれば、本人の物書きになるという夢は簡単にかないそうな表現力が光りまくっていた一冊だった。
せっかくノルマンディー上陸作戦まで耐えたのに、あと少しで解放までいけたかもしれないのに……というのがくやしい。