日々是暇

タイタン

野崎まどという作家の長編SF小説。12基の巨大AI「タイタン」によって管理された23世紀のお話。

こういうあらすじだと、映画「マトリックス」に代表されるように、機械に人間が支配されたディストピア的な世界を創造するかもしれませんが、ここで描かれるのはタイタンによって極めて快適に管理された世界の話。好きなときに好きなものを着て、好きなものを食べ、好きなところに住む――――

よって、この世界には「仕事」というもの、概念が存在しない。快適に生きるために必要なものは全てタイタンが提供してくれるので、金銭が必要ない。専門的に何かやる人がいても、それはあくまで「趣味」の範囲。タイタンの未来世界は「ユートピア」なのだ……うらやましい……

そんな世界で生きる内匠成果という心理学を趣味としている女性が、政府から「仕事」を依頼されるところから始まる。その仕事内容は「鬱」に陥り効率が落ちてしまったタイタン“コイオス”の「カウンセリング」だった―――というもの。

鬱を直していく旅が描かれながらも、物語の軸は内匠先生とコイオスの対話。仕事の概念がない世界で、仕事の意味について議論していく。なるほど新鮮な視点だな~と(結果は目から鱗というほどのものではなかったけど)。

誰か早くタイタンを作ってください。

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