新進気鋭の若手、遠野遥さんによる作品。芥川賞受賞作。
今回は芥川賞が2作品掲載されていた文藝春秋を買って読んだ。単行本1冊よりもお得だったので……(関係ないのですが、文藝春秋って時事ネタが結構ふんだんに掲載されているんですね。勝手に小説の連載が載っている雑誌だと思ってました)
さて本編。心身ともに健康、政治家志望の彼女(麻衣子、きっと美人)もいて、終活も万事順調の大学4年生陽介くんが、灯という(性欲の強い)新入生と付き合うようになってから、徐々に物事が上手くいかなくなっていき、最後は怒涛の勢いで崩れ落ちていくお話。
―――ざっとあらすじを書いてみましたが、書いてみてつくづく、これだけの話だったなと。
確かに、ニヒリズムはすごかった。まず、主人公が、周囲と自分を突き放した目線で観察しているし、それを作者が突き放したところから描いている。つまらないような書き方で、温度感をほとんど感じない。そういう意味では新しい読後感を得られた気はする。
ただ、それに感動したかというと、そんなことはなく。途中で「令和の村上春樹か?」と期待するものもありましたが、特に突き抜けた何かを、僕は見抜けず。「今後の活躍にご期待します」止まりだったかな~と。
批判に「セックスは必要なのか」論争もありますが、それに関しては村上春樹で耐性があるので問題なかった。主人公がそういう生活を送っていたというだけの話かなと。
P.S.ラジオ番組のインタビューで「夏目漱石をよく読んでいた」と言っていましたが、なるほど、女性を理解できずに振り回される男性、というところはまさに影響なのかな?とか。
P.S.のP.S.膝と呼ばれている友人が、どれだけ特徴的な膝なのかを知りたかった(そこじゃないかもしれないけど)