文春の映画評からいくつかピックアップしていた映画の一つ。武蔵野館の17時台は満員御礼。昼に来て買っておいて良かった。
あらすじは、世界恐慌下においても元気なモスクワの資金源は一体どうなっているのかを探るため、ガレス・ジョーンズがウクライナに潜入すると言うもの。そこで見たのは「ホロドモール」と呼ばれるロシア(スターリン)の外貨獲得のために穀物を搾取され、極度の飢餓に追い込まれた人民だった———というもの。この真実をなんとか伝えようとするジョーンズと、陰ながら援護するエイダ、国交が大事なアメリカの立場からそれを阻むウォルター・デュランティの駆け引き、「真のジャーナリズムとは何か」を問うのが大きな主題だとは思いますが、個人的に強烈だったのはウクライナの飢餓の表現の生々しさ。
主人公が何気なく捨てた果物の皮に群がる乗客たち。そこら中で転がっている人に見向きもしない住民たち。気味の悪い童謡(?)を歌う子供たち。匿ってもらった子供達から出された肉を食べながら「この肉はどこから?」と聞き、答えを察して吐き出す———ときには、もう僕はストレスのためかお腹が痛くなっていた。
鑑賞後の、こういう恵まれている時代に生きている申し訳なさと、「肉のシーン」から、夕飯時なのに全く食欲がわかなかった。ただ、恵まれていることが当たり前の価値観にショックを与えることは必要だと思っているので、良い機会を持てたと感じている。今月末までとのこと。